急速冷凍とは、食品が凍る温度帯(マイナス1~マイナス5度)を通常の冷凍方法より素早く通過することで、氷の結晶を小さいまま一気に凍らせる技術のこと。それにより、食品の細胞を破壊せず、解凍したときに元の品質を最大限保つことができる。例えば通常の冷凍機で凍らせた肉を解凍すると、うまみ成分を伴ったドリップが大量に出て、同時に食感や色味なども損なわれてしまう。だが急速冷凍なら、そうした劣化がほとんどなく常温に戻せる。野菜や魚介といった生鮮食品も、加工食品も、まさしく獲れたて、出来たての状態が保てるから、消費者は食材本来のおいしさを享受できるということだ。急速冷凍は、前回定義したイノベー食を構成する5ジャンルのうち、「次世代フード」を生み出す1つのカギとなる技術と言える。
右側の説明:
デイブレイクが扱う急速冷凍機の中でトップの売れ行きという、「3Dフリーザー」(古賀産業)。湿度が高い冷風を多方向から立体的に当てる独自の仕組みで、乾燥や冷凍ムラを最大限抑えられるから歩留まりが高い(フードロスが少ない)という。予冷せずに熱々の食品をそのまま冷凍することも可能