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バニラアカデミー

バニラの生理落果とその管理についてNEW!!
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バニラの生理落果とその管理について

生理落果の原因について

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バニラの生理落果時期は約受粉後40~60日の間に発生しやすいです。台湾の場合は5月中旬から7月上旬になります。落果率は15%~70% の範囲で変動します。生理落果の原因はたくさんあります。バニラの花芽分化温度は約20~22°Cです。高温は花粉の生存率に影響します。花粉の最適発芽温度は25~30°Cです。35°Cのような高温を超えると花粉の発芽に影響します。高温は花粉の発芽と鞘の成長を阻害し、また受粉の成功率にも影響を与えます。 高温が原因で鞘が落ちたり、品質が低下したりすることはよくあります。また、生理落果の原因は様々あります。バニラ受粉後1ヶ月内は最も重要な時期です。バニラ農園主の経験によりますと、下記の状況は生理落果になりやすいです。①温度が35℃を超え、日差しが強い、風通しが悪い、湿度が低いなどの生育異常になる場合です。②鞘の数が多すぎるため、バニラの株が弱ったり、栄養不足になった場合です。③フザリウム菌に感染、炭疽病などの細菌感染症に掛かった場合は生理落果を引き起こす可能性があります。

摘花と摘果について

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バニラのさやが成熟するまでに約8ヶ月かかります。栄養の取り合いを避けるため、開花期に摘花作業を行います。例えば、開花期の初めに受粉しにくい花序を先に取り除きましょう。植物の下部に生える花序は受粉しにくく、また、下部にある鞘は土に近いため病気や害虫に感染しやすいです。また、株の頂上に生えている花序、この部分の鞘は伸びる余地が少なく、取り除くことをお勧めします。さやの品質を確保するには、花序あたりに5~8のさやを残し、つるあたり2~4個の花序を残し、株あたり80 ~ 120 個のさやを残すことをお勧めします。1ヘクタールにバニラ4000本(各列を1本として計算)を植えると、30万~40万個の鞘があり、生理落果生や後半で質の低い鞘を差し引くと、約25-30万個の鞘が収穫できます。 鞘あたりに12グラムで換算すると推定収穫量は3,000~ 3,600 kgとなります。

受粉のタイミングについて

バニラは午前0時から正午まで開花し、正午を過ぎると花粉の生存力が著しく低下するため、人工受粉は午前6時から正午までに完了することをお勧めします。正午になると気温が上がりますので、受粉の成功率に影響を与えないように、できるだけ早めに完了しましょう。

最適な栽培温度

高温はバニラの花粉の発芽、成長、および発育に影響を与えます。4月から6月の開花期において、35℃以上の高温になった場合、降温ミスト装置や遮熱遮光ネットを使用して栽培環境の温度調節が可能です。降温ミスト装置は主に植物の成長環境の温度を下げるために使用されますので、植物を濡らしすぎないようにミストの量を調整し、受粉率の低下を避けることが重要です。また、通気性の良い環境を保ち、高湿度などによる病原菌の繁殖を防ぐこともできます。さらに、直射日光を避けるため、二重遮熱遮光ネットを使うことで、より効率的に環境温度を調節することができます。温室内に循環ファンが設置されている場合、通気性をよくする効果もあるでしょう。バニラは受粉後の1ヶ月間、大事な成長期になるため、栽培環境の温度を注意深く管理しましょう。

病害虫の防止と畑の管理

落果の現象は高温や栄養不足などが原因となるかもしれませんが、病害虫もバニラの成長と発育に影響を与えます。バニラの栽培によく発見される病害としては、炭疽病、フザリウム病などがあります。高温多湿の環境では病原菌の伝播が促進されるため、感染した植物を完全に除去したり、感染した部位を切り取ったりして病原菌の源を減らすことが重要です。例えば、園内の湿度を下げるために通気性の良い環境を保ち、病原菌の伝播を減らすこと努めることなど畑の管理が必要です。